春日野音楽祭春日野音楽祭

春日大社境内・三条通を中心とするまちなか・奈良公園にて開催される春日大社御創建1250年奉祝行事の音楽フェス「春日野音楽祭」

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【スペシャルトーク・自然、水、命をつなぐ】②を公開しました。

【スペシャルトーク・自然、水、命をつなぐ】

02:「水」の大切さ。


奈良の美しい自然環境のなかで開催する春日野音楽祭。第3回となる2018年からは、サラヤ株式会社に音楽祭のグリーンパートナーとしてご参加いただいています。ここでは、その取り組みを記念して、代表取締役社長の更家悠介氏と春日大社・宮司の花山院弘匡氏の特別対談を行いました。パート2では、「水の大切さ」をテーマにお届けします。

 

更家悠介:次は「水」のことについてお伺いしたいのですが。
「衛生・環境・健康」という3つは、私どもサラヤの企業理念です。特に「衛生」から始まった企業でして、それは「いのち」を守るものです。そして、その中核をなすものが「水」だと考えています。

 

花山院弘匡:まず春日大社と水についてお話させていただきます。
平城京という都ができて、そこにはおよそ10万人の人々が住まわれていたんですね。当時の世界人口が約4億人ですから、平城京はとても大きな都市だった。
そんな大都市であった平城京を守るために、神様が降り立ったとされるのが都の東側にあります「御蓋山(みかさやま)」という美しい円錐形をした山です。その後ろには春日山という山も連なっています。そんな自然のなかで、私たちは守られている。神様は自然の美しいものを依代(よりしろ)とされます。御蓋山は神様の御山、神山とされてきました。
平城京から見ると、御蓋山は太陽が昇る山です。太陽の光と熱は、生きとし生けるものの生命を育みますし、また、植物も成長します。また、夜になると月も昇ってくる。つまり、昼を支配する太陽と夜を支配する月の両方が神の山から上がってきて生活を送るというわけです。
もうひとつ大きなことがあります。御蓋山は、平城京のすべての水源地であるということです。10万人の人々のいのちの源を保つ水は、この神様の御山からしか流れてこないわけです。だからそこにはすべてお社があります。日本全国どの水源地には、たいてい古くからお社がありますね。
水はすべての生命の源であり、人間の身体の60〜70%は水ですから、水のないところでは私たちは生きていくことができない。そのことは、日本人が持っている「清浄感」という感覚にもつながっていて、それが健康を左右するということを知っているのだと思います。

 

更家:そうですよね。

花山院:例えば御殿の前など、日本人は常に清潔にしておくことが好きですよね。これは神道の教えでもあり、神社はたえず掃除ばかりしていますよね(笑)。それは「公衆衛生」なんです。神様に対しての尊敬であり、そこが汚かったら神様に失礼ですよね。
でもそれは、生きている私たちにとっても大切なことです。美しい「水」とは、身を浄めると同時に、精神的にも清浄であるといことと重なっている。
その意味で、更家さんは、その両方をなされているわけです(笑)。美しい公衆衛生ですよね。それは日本の神道とまったく同じだと思います。

 

更家:(笑)ありがとうございます。

 


※03:「いのちをつなぐ/未来への倫理」 につづく。

 

スペシャルトーク・自然、水、命をつなぐ】INDEX

01:神道における「自然の恵み」とは。
02:「水」の大切さ。
03:
 
いのちをつなぐ/未来への倫理
(世界手洗いプロジェクト)

 

SARAYA×KASANNOIN

■プロフィール

花山院 弘匡(かさんのいん・ひろただ)

1962年、佐賀県生まれ。1986年、國學院大學文学部神道学科卒業。奈良県立高等学校教諭を歴任し、2008年、春日大社宮司に就任、現在に至る。花山院家は、五摂家に次ぐ九清華家の一つで旧侯爵家。花山院家第33代目当主にあたる。春日大社宮司としては明治以降で第11代目となる。2016年、第60次式年造替を執り行う。著書に『神道 千年のいのり 春日大社の心』(春秋社)、『宮司が語る御由緒三十話 春日大社のすべて』(中央公論新社)がある。

 

更家 悠介(さらや・ゆうすけ)

1951年生まれ。1974年大阪大学工学部卒業。1975年カリフォルニア大学バークレー校工学部衛生工学科修士課程修了。1976年サラヤ株式会社入社。取締役工場長を経て1998年代表取締役社長に就任、現在に至る。1989年日本青年会議所会頭、大阪商工会議所常議員、関西経済同友会常任幹事、公益社団法人日本食品衛生協会常任理事、ボルネオ保全トラスト理事、公益社団法人日本WHO協会副事理長などを務める。

 

春日大社

春日大社は、今からおよそ1300年前、奈良に都ができた頃、日本の国の繁栄と国民の幸せを願って、遠く茨城県鹿島から武甕槌命(タケミカヅチノミコト)様を神山御蓋山(ミカサヤマ)山頂浮雲峰(ウキグモノミネ)にお迎えした。やがて天平の文化華やかなる神護景雲2年(768年)11月9日、称徳天皇の勅命により左大臣藤原永手によって、中腹となる今の地に壮麗な社殿を造営して千葉県香取から経津主命様、また大阪府枚岡から天児屋根命様・比売神様の尊い神々様をお招きし、あわせてお祀り申しあげたのが始まりである。
御創建以来、20年毎に斎行される式年造替という制度により、社殿の御修繕、御調度の新調、祭儀の厳修により日本人の命が連綿と受け継がれ今日に至る。また、全国3000に及ぶ春日の御分社、奉納された3000基の燈籠は、その厚い信仰の広がりを示している。今日も昔と変わらず、毎朝毎夕の神事の御奉仕を始め、年間2200回に及ぶお祭りが行われ、日本の国はもとより、世界の平和、万民の幸福、そして共存共栄が祈り続けられている。
平成10年12月には、春日大社や春日山原始林を含む「古都奈良の文化財」がユネスコの世界遺産に登録。

■春日大社 ホームページ

 

サラヤ株式会社

代々熊野の地で山林業に携わってきた家系であった更家章太氏によって1952年創業。戦後間もない当時、赤痢や疫痢などの伝染病が流行し、大規模な食中毒事故が頻繁に発生していたため、その予防策として、日本初の手洗い用薬用石鹸液や専用供給容器を開発、販売した。以降、世界の「衛生・環境・健康」の向上への貢献を目指し、環境に優しいヤシノミ洗剤をはじめ、様々な環境対応商品の開発と販売、また、原料調達地であるボルネオ等における環境保全活動にも積極的に取り組んでいる。
2010年からは、ハンドソープや手指消毒剤などの自社衛星商品の売上の1%をユニセフが行う手洗い促進活動に寄付する「100万人の手洗いプロジェクト」をスタート、途上国地域や日本の子どもたちの衛生環境向上のための支援活動を継続的に行っている。

■サラヤ株式会社 ホームページ