春日野音楽祭

【学生サポーターズ活動記録】大阪・関西万博「BLUE OCEAN DOME」視察レポート

今回は、2025年日本国際博覧会にNPO法人ゼリ・ジャパンが出展している民間パビリオン「BLUE OCEAN DOME」 へ視察に行ってきました。

レポート

こんにちは!第10回春日野音楽祭学生サポーターの藤本です。 2025年9月16日に、大阪・関西万博でNPO法人ゼリ・ジャパンが出展しているパビリオン「BLUE OCEAN DOME(ブルーオーシャンドーム)」の視察を行いました。

ゼリ・ジャパンを支援するサラヤ株式会社は、“ひとと地球”にやさしい製品づくりに取り組み、「衛生・環境・健康」に貢献する製品とサービスの提供を行っている企業です。
地域の子どもや家族に手洗いの大切さを伝えるため、第一回春日野音楽祭から「世界手洗いダンス」の演奏奉納を通じて協賛参加してくださっています。そんなご縁もあり、今回学生サポーターのメンバーでブルーオーシャンドームを訪れることになりました。

今回視察したブルーオーシャンドームは、「海の蘇生」をテーマに掲げたパビリオンであり、「循環」「海洋」「叡智」の三つのドームによって構成されています。それぞれのドームには、竹やカーボンファイバー、再生紙といった素材が用いられ、「軽い建築」を実現している点が特徴です。これにより、万博会期後の解体時に発生するごみの削減につながり、環境負荷を軽減する仕組みが取り入れられています。他にも、海や土壌で成分分解され海ごみにならないセロファンの展示や、白化してしまったサンゴを実際に触ることで、海のいのちを感じることができる体験ブースなどを通して、観覧者が自発的に環境問題について考えることができる構成となっていました。
この視察を通じて、私たちの暮らしがいま、どのような土台の上に成り立っているのかを深く考えさせられました。特に「海洋」ドームで体験した巨大球体スクリーンの映像が強く印象に残っています。そこでは、美しい地球がごみに覆われる姿から始まり、生命の誕生、そして透き通った海の中に漂う海洋プラスチックごみの光景へとつながっていきました。言葉を使わず、雄大なスクリーンによる映像表現で訴えかけられることで、心に強い衝撃を受けました。
人間は科学技術の進歩によって数多くの発明を繰り返し、便利で豊かな社会を築いてきました。地球を覆う人工物も、海洋プラスチックごみも、元をたどれば人間が豊かさを求めて生み出してきたものです。そこには確かな恩恵があり、その上にいまの社会が成り立っていることも事実です。
しかし、ほんとうにそれでいいのでしょうか。海洋プラスチックごみが漂う海には目もくれず、目の前の恩恵を享受し続けるだけでよいのだろうかと強く考えさせられました。確かな恩恵がある分、これから海洋プラスチックごみを完全にゼロにしていくことは非常に難しく、膨大な時間と労力がかかるでしょう。それでも、現状をそのまま受け入れるのではなく、少しずつでも改善に向けて動き出すことが求められています。
ブルーオーシャンドームでは、その果てしない一歩を体現していると感じました。建物全体が環境負荷の少ない素材で構成されていたり、循環を前提とした素材の展示が行われていたりと、持続可能な未来を目指す姿勢が随所に示されています。単なる展示施設ではなく、私たち一人ひとりに「次の一歩をどう踏み出すか」を問いかけてくるパビリオンでした。恩恵の上に築かれた社会を維持するだけではなく、未来に向けて持続可能な選択をしていくことの大切さを強く感じました。

学生サポーター 藤本初音

レポート

皆さん、こんにちは。
春日野音楽祭学生サポーターズの丸谷柚陽です。

9月17日、春日野音楽祭学生サポーターズの活動の一環として、2025年日本国際博覧会のBLUE OCEAN DOMEを視察させていただきました。

【BLUE OCEAN DOME】
BLUE OCEAN DOMEは、「海の蘇生」をテーマに海洋資源の持続的活用と海洋生態系の保護、海洋汚染問題の現状などを伝えるNPO法人ゼリ・ジャパンが出展される民間パビリオンです。

【BLUE OCEAN DOMEと春日野音楽祭】
春日野音楽祭に第1回から継続して『ユニセフ世界手洗いの日プロジェクト』のボランタリーパートナーとして協力を続けてくださっておられるサラヤ株式会社の更家社長がNPO法人ゼリ・ジャパン理事長ということで、サラヤさんの取り組みを取材に伺いました。

【視察の内容と感想】
日本の竹でできたドームAでは、超撥水の加工がされた紙の上で、雨が湖、川となり、最終的には海になるという水の循環が表されていました。常に一定の量の水が回っているという点に、自然の循環エコシステムが非常によく出来たものであることを実感しました。
また、1粒の水滴が流れ、他の水滴と合流して水溜まりになっていく様は、水の変幻自在な性質を感じることができ、面白いと思いました。水の力でランダムに奏でられる鉄琴の音色も、遊び心が掻き立てられて面白かったです。

カーボンファイバーでできたドームBでは、美しい地球や生き物が環境汚染に侵されていく様を、大きなシアターの迫力のある映像で目の当たりにしました。初めに美しい自然の情景が映し出され、そこに徐々にプラスチックゴミが混ざり込むという演出で、プラスチックゴミのせいで自然が台無しになっていく様をリアルに体感できました。また、リサイクル率の低さに対し、生産量だけが増えている現状を知ることで、現在の地球の環境汚染が深刻なものであるということよく理解でき、問題意識が芽生えました。

パルプでできたドームCでは、環境汚染を踏まえ、どのようなどのような取り組みをしているのかを学ぶことが出来ました。生分解性プラスチックに触れる体験ができ、普段使うようなプラスチックとあまり変わらない手触りに驚きました。
特に印象的だったのは、サラヤ株式会社で取り組まれている高い安全性と生分解性を持つという、界面活性剤の開発でした。「少量しか出来ないため商品化が難しかった」とのことでしたが、「少しでも環境に配慮した商品を作りたい」という熱意や努力に感銘を受けました。

以上、ブルーオーシャンドームを拝見し、環境汚染の深刻な現状を知ることで問題意識が芽生え、サラヤ株式会社の取り組みを知ることで、環境汚染に悲観的になるのではなく、自分に何が出来るのかという前向きな姿勢が大切なのだということに気付かされました。自分の今の生活を考え直す、とても良い経験になったと感じています。
この度は貴重な体験をありがとうございました。

学生サポーター 丸谷柚陽