春日野音楽祭春日野音楽祭

春日大社境内・三条通を中心とするまちなか・奈良公園にて開催される春日大社御創建1250年奉祝行事の音楽フェス「春日野音楽祭」

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【スペシャルトーク・自然、水、命をつなぐ】③を公開しました

【スペシャルトーク・自然、水、命をつなぐ】
03:いのちをつなぐ/未来への倫理


奈良の美しい自然環境のなかで開催する春日野音楽祭。第3回となる2018年からは、サラヤ株式会社に音楽祭のグリーンパートナーとしてご参加いただいています。ここでは、その取り組みを記念して、代表取締役社長の更家悠介氏と春日大社・宮司の花山院弘匡氏の特別対談を行いました。

パート3では、「いのちをつなぐ/未来への倫理」をテーマに、1300年に亘ってその営みを続けてきた春日大社の視点から、未来に向けた「持続可能性」についてお話を伺いました。


更家悠介:「持続可能性」ということについてお話をさせていただきたいと思います。世界の人口がいま70億人を超えて、やがて100億人以上になると言われています。我々の世界が、これからどうやって続いていくのか? マインドセットも必要なんだと思います。

 

花山院弘匡:これは「持続可能性」ということに少しかかわってくるかと思いますが、やはり人間といのは「畏れ」を持っていないと、範を超えてしまうんですね。

例えば、自然に対して、「これ以上なにかしてしまうと人々のいのちにかかわる」といったことですね。人間は人々の幸福のために色々な活動をするわけですけれど、そこで自分を驕り、畏れを知らなくなると自然も破壊するようになる。地球の持続可能性を考えるよりも、自らの欲得だけで国が動いたり会社が動いたりするということが、どれだけ抑制されるか? 日本人は「畏れ」というものを知っているので、「そこまでするのは止めておこう」と。

 

更家:「畏れ」ということについて、よく、神様に対する畏敬の念という言い方もしますが、神道的な観点から「畏れ」というものをどう感じたらいいと思われますか?

 

花山院:いま私たちはとても高度な社会に生きているので、ともすれば自然に対して昔ほど敏感ではないんですね。例えば、地震ひとつとっても、以前であれば大変な畏れを感じていたでしょう。小さい地震が少しでも続けば、自分たちにこれから何か恐ろしいことが起こるのではないか? という「気」を以て、日常生活を過ごす。

神様の前で手を合わせて、畏敬の念や自分の驕り感じながら生きていくなかで、自然を見詰めていくと、「これはちょっとおかしいのではないか」と気づくことも多いんだろうと思います。そこから離れてしまって、(それ自体は素晴らしいことですが)都会で暮ずっと過ごしていると、人間の感覚は鈍感になると思うんですね。

 

更家:この頃は遺伝子操作で色々な生物ができたり医学的な進歩が進んだり、あるいは、コンピュータが発達して知識が集約されて活用しやすくなって、これはもう私たちがビジネスをやっていても変化が激しい。

そういうところで、先程からお話が出ています範を超えてしまったり、畏敬のない科学的な発想からどんどん進んでいく。宗教心がある人でも、神は信じているけど、これは別だよね、といったような……。世の中のスピードと、畏れも含めた自己に対する見方の差に、実感として危うさを感じています。じゃあ、どうするのか? 競争にもついていかないといけないなかでね。

 

花山院:私自身が思うのは、日本であれ世界であれ、人間を信じている部分があります。人間というのは、道徳的なことや正しいことへの深い思いを常に抱えている部分があるんだと思います。そういったことに心が魅かれる部分がありますね。

簡単に言ってしまうと、悪と善とどちらが正しいですかと問えば、皆、善が正しいと言いますよね。そういう意味で、いま更家さんがおっしゃったことは、世界中の人々が感じていることであって、これから先は、もしかすると、そういう問いを中心に経済や省場が発展する、AIによって進化していくといった、そんな価値観が広がってくる時代になるのではないでしょうか。

そこには従来への反動もあるでしょうが、そういった道徳や正しいことを大切にするということが人間の価値観のなかに大きく占めています。もちろん警鐘を鳴らさなくてはならないことも多々あるでしょうが、最終的には、人間はそこに気づくと私は信じています。

 

更家:千年以上ものあいだ続いてきた、つながって来た春日大社の営みに持続可能性を感じます。だからこそ、未来に向けてもこれからの千年、二千年と続いていくのだろうと思いました。

 

花山院:世の中の水をきれいにしてきた更家さんですから、是非、企業としの発展と共に地球を守ることにも取り組み続けていただけたら素晴らしいですね。

 

更家:本日はありがとうございました。

 


100万人の手洗いプロジェクト

サラヤ株式会社(本社:大阪/代表取締役社長:更家悠介)は、市民音楽祭 「第3回春日野音楽祭(主催:春日野音楽祭実行委員会/共催:春日大社)」からからグリーンパートナーとして参加、音楽祭でのイベントを中心に、「100万人の手洗いプロジェクト」の普及啓発を目的として協働しています。
「100万人の手洗いプロジェクト」はアフリカ・ウガンダで子どもたちの命を守る手洗いを世界に広めることを目的としたユニセフ支援プロジェクトであり、またその一環として、国内においても「手洗い」を促進するための活動を日本ユニセフ協会と共同で幅広く展開しています。

今回の春日野音楽祭における取り組みは、奈良県、及び、近隣地域の子どもたちやご家族の方々に「手洗い」の重要性を訴えかける機会として実施するものです。手を洗うという行為は、万国共通で誰もが実践できる衛生や健康のための生活習慣です。また、古来より神道では、参拝や儀式の前に「手水」の作法を行い、心身を浄めます。
御創建1250年を迎えた春日大社は、国の繁栄と国民の幸せを願う祈りが捧げられてきた場所であり、また、春日野音楽祭における奉納企画は、未来を育む次の世代に向けた健康への祈りとして春日大社、春日野音楽祭、サラヤそして、奈良市民の皆様と共に実施いたしました。

また、春日大社、及び、サラヤの両者による取り組みとして、2018年10月15日の世界手洗いの日以降、春日大社が購入し使用するサラヤ衛生製品(手洗い石鹸、及び、手指消毒剤)を対象に、サラヤが、そのメーカー出荷額の1%をユニセフに寄付し、アフリカ・ウガンダで展開する「石けんを使った正しい手洗い」の普及活動を支援する活動を開始いたします。

 


■第3回春日野音楽祭にて実施された「世界手荒いダンス奉納」については、こちらをご覧ください。

100万人の手洗いプロジェクトについては、こちらをご覧ください。


 

スペシャルトーク・自然、水、命をつなぐ】INDEX

01:神道における「自然の恵み」とは。
02:「水」の大切さ。
03:
 
いのちをつなぐ/未来への倫理
(世界手洗いプロジェクト)

 

SARAYA×KASANNOIN

■プロフィール

花山院 弘匡(かさんのいん・ひろただ)

1962年、佐賀県生まれ。1986年、國學院大學文学部神道学科卒業。奈良県立高等学校教諭を歴任し、2008年、春日大社宮司に就任、現在に至る。花山院家は、五摂家に次ぐ九清華家の一つで旧侯爵家。花山院家第33代目当主にあたる。春日大社宮司としては明治以降で第11代目となる。2016年、第60次式年造替を執り行う。著書に『神道 千年のいのり 春日大社の心』(春秋社)、『宮司が語る御由緒三十話 春日大社のすべて』(中央公論新社)がある。

 

更家 悠介(さらや・ゆうすけ)

1951年生まれ。1974年大阪大学工学部卒業。1975年カリフォルニア大学バークレー校工学部衛生工学科修士課程修了。1976年サラヤ株式会社入社。取締役工場長を経て1998年代表取締役社長に就任、現在に至る。1989年日本青年会議所会頭、大阪商工会議所常議員、関西経済同友会常任幹事、公益社団法人日本食品衛生協会常任理事、ボルネオ保全トラスト理事、公益社団法人日本WHO協会副事理長などを務める。

 

春日大社

春日大社は、今からおよそ1300年前、奈良に都ができた頃、日本の国の繁栄と国民の幸せを願って、遠く茨城県鹿島から武甕槌命(タケミカヅチノミコト)様を神山御蓋山(ミカサヤマ)山頂浮雲峰(ウキグモノミネ)にお迎えした。やがて天平の文化華やかなる神護景雲2年(768年)11月9日、称徳天皇の勅命により左大臣藤原永手によって、中腹となる今の地に壮麗な社殿を造営して千葉県香取から経津主命様、また大阪府枚岡から天児屋根命様・比売神様の尊い神々様をお招きし、あわせてお祀り申しあげたのが始まりである。
御創建以来、20年毎に斎行される式年造替という制度により、社殿の御修繕、御調度の新調、祭儀の厳修により日本人の命が連綿と受け継がれ今日に至る。また、全国3000に及ぶ春日の御分社、奉納された3000基の燈籠は、その厚い信仰の広がりを示している。今日も昔と変わらず、毎朝毎夕の神事の御奉仕を始め、年間2200回に及ぶお祭りが行われ、日本の国はもとより、世界の平和、万民の幸福、そして共存共栄が祈り続けられている。
平成10年12月には、春日大社や春日山原始林を含む「古都奈良の文化財」がユネスコの世界遺産に登録。

■春日大社 ホームページ

 

サラヤ株式会社

代々熊野の地で山林業に携わってきた家系であった更家章太氏によって1952年創業。戦後間もない当時、赤痢や疫痢などの伝染病が流行し、大規模な食中毒事故が頻繁に発生していたため、その予防策として、日本初の手洗い用薬用石鹸液や専用供給容器を開発、販売した。以降、世界の「衛生・環境・健康」の向上への貢献を目指し、環境に優しいヤシノミ洗剤をはじめ、様々な環境対応商品の開発と販売、また、原料調達地であるボルネオ等における環境保全活動にも積極的に取り組んでいる。
2010年からは、ハンドソープや手指消毒剤などの自社衛星商品の売上の1%をユニセフが行う手洗い促進活動に寄付する「100万人の手洗いプロジェクト」をスタート、途上国地域や日本の子どもたちの衛生環境向上のための支援活動を継続的に行っている。

■サラヤ株式会社 ホームページ